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合同会社の税金まわりを徹底解説!

合同会社の税金まわりを徹底解説!
合同会社を設立すると、株式会社と同様の税金が発生してくる事になります。合同会社と個人事業主どちらにするか迷っている方は多いでしょうから、これは気になりますよね。

この記事では「合同会社にかかる税金の種類」「申告や納付を行う期限」「合同会社の税金に関する知識」について解説していきたいと思います。

【このページの目次】
合同会社経営で必要な税金の種類
申告や納付はどうするの?金額は?
税金の節約はできる?
このページのまとめ

合同会社経営で必要な税金の種類

会社に発生するもの

合同会社に直接発生する税金は下記のとおりです。税金は沢山の種類があるので、ここで解説するのは中小企業が一般的に関わる税金を抜粋しています。

【利益に対して課税されるもの】
・法人税
・法人事業税
・法人住民税

【取引に際して発生するもの】
・消費税

【その他ケースバイケースで発生するもの】
・償却資産税
・印紙税
・自動車税
・固定資産税

これから起業を考えている方が知っておくべきものとしてはこれで十分だと思いますが、ご自分の業界によっても変わってきます。

例えば、商材を輸入する際は輸入消費税という税金が掛かってきます。それぞれ業種によりもっと沢山の税金の種類がありますから、日々勉強はして下さいね。

役員個人に発生するもの

続いて、役員個人に発生する税金です。役員が会社から役員報酬を受け取った場合、役員個人に所得が出ますので、税金が発生するのです。もちろん、役職報酬0円なら関係ありません。

・源泉所得税
・住民税
・社会保険料

会社から役員報酬を受け取った場合、これらの税金が発生します。注意するのが「個人事業主より会社の方が節税できる」との情報です。

インターネットで出ているこれらの情報の一部は、社会保険料が計算に入っていないケースが多いです。個人事業主と合同会社で迷っている方は注意下さい。

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申告や納付はどうするの?金額は?

合同会社の決算時に納付するもの

会社の税金は基本的に「年1回の税務申告の際に納付」というのが一般的です。税務申告書を作成し、税務署に提出。併せて税金を納付するというような形です。

税金の種類 納付方法 納付期限 備考
法人税 税務申告の際に納付 年度終了から
2カ月~3カ月以内
利益に対して発生
法人事業税 税務申告の際に納付 年度終了から
2カ月~3カ月以内
利益に対して発生
法人住民税 税務申告の際に納付 年度終了から
2カ月~3カ月以内
利益に対して発生
赤字でも最低7万
消費税 税務申告の際に納付 年度終了から
2カ月~3カ月以内
取引の規模に応じて
免税事業者は無し

会社の決算の際に納付するのは「法人税、法人事業税、法人住民税」これら一式を纏めて法人税と一般的にいいます。あと消費税です。

法人税は利益の25%~30%程度というイメージです。但し、会社が赤字になっても最低7万円の法人住民税が発生します。利益に対する税金は無くても7万円は納税という事ですね。

【利益に対する税金額】

税金の種類 金額の目安
法人税、法人事業税、法人住民税 一式で利益の25~30%
※赤字でも最低7万円

消費税は取引高や事業形態によって異なりますが、目安は下記のとおりです。

【消費税の金額目安】

税金の種類 金額の目安
消費税 税込年商1,100万円の場合
卸売業 10万円
小売業 20万円
請負建設業や製造業 30万円
飲食業や常用建設業 40万円
サービス業 50万円
不動産業 60万円

以上が税務申告の際に関係してくる税金です。一般的にはあとは役員報酬に関する個人の税金だけ!という方が多いです。

毎月納付するもの

次に、毎月納付する必要があるものを解説します。基本的には「役員報酬を受け取った役員個人に対する税金」です。役員報酬が0円ならこれらは発生しません。

税金の種類 納付方法 納付期限 備考
所得税 給与から差し引いて納付 翌月10日 半年に1回納付に変更
できる場合あり
住民税 給与から差し引いて納付 翌月10日 1年目は個人が直接納付
社会保険料 給与から差し引いて納付 翌月末日 会社負担を上乗せして納付

役員個人に発生する税金については、役員報酬の金額によって大きく変わります。ここでは参考に月々30万円のケースを例を上げますね。

【月々30万円の場合役員個人に発生する税金の目安】

税金の種類 一年間の税額目安
所得税 81,300円
住民税 161,900円
社会保険料 1,077,820円(内538,920円が会社負担)

※年度や扶養家族の状況で変わるのであくま参考にして下さいね。

このように、合同会社の場合社会保険加入義務があるので、一見節税効果はあるよに感じますが、社会保険料の負担が大きいので注意して下さい。

また、役員報酬は1年に1回しか変更できない!という厳しいルールがある関係で、役員報酬が貰えない程会社が苦しい時も社会保険の負担はあるので注意です。

関連リンク

役員報酬が受け取れない時も社会保険料が発生する仕組みはこちら。
役員報酬は払えない時でも所得税と社会保険料を支払う必要がある件

役員報酬のルールはこちらです(動画付き)!
自分で決める役員報酬③ 役員報酬のルールを解説

役員報酬のルールを破った際どうなるか(動画付き)解説!
自分で決める役員報酬④ 役員報酬のルールを破るとどうなる!?

会社設立後の社会保険についてはコチラをご確認下さい!
未加入業者と語る社会保険のリアル

該当すれば発生するもの

その他、該当する可能性があるものといえば、

【償却資産税】
内装設備やオフィス家具などの備品が150万円を越える場合は「償却資産税」という税金が発生します。償却資産税は計算が難しく税理士さんに処理をお願いするのがいいでしょう。

税率は設備の帳簿価格×1.4%程度。設備や備品の帳簿価格が150万円未満の場合は課税されません、

そんな物があるのかと、高額な設備や備品を購入した際は税理士さんに相談するように心がけましょう。

【印紙税】
中小企業でも、契約書を作成する際には印紙税が発生する事がよくあります。税務署のホームページに印紙税が必要な場合というページがあるので、契約書作成の都度確認しましょう。

【自動車税】
法人で自動車を所有している場合、法人に対して自動車税が発生します。納付方法は個人と同じ、納付書が送られてきますので、期限以内に支払いするだけです。

関連リンク

印紙税の詳細はコチラ!
国税庁 印紙税一覧表

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税金の節約はできる?

個人事業主と合同会社の節税比較

個人事業 合同会社
代表者の社宅
不可

可能
自宅の作業スペース
仕事の使用割合のみ
社宅と併用は難しい

仕事の使用割合のみ
社宅と併用は厳しい
日常生活にかかる費用
仕事の使用割合のみ

仕事の使用割合のみ
生命保険料
一部のみ

可能
退職金の積み立て
可能

可能
赤字の繰り越し
3年間

9年間

以上が個人事業主と合同会社の節税対策の比較です。以下解説をしていきますね。

代表者の社宅

通常、事業の経費というのは仕事に使っている物しか経費にできません。それは個人事業主と合同会社の場合同様です。しかし、合同会社は役員や従業員の福利厚生ができます。

合同会社の場合、役員や従業員の自宅家賃の一部を会社の福利厚生費用として会社の経費にする事ができます。一方、個人事業主の場合は自分に福利厚生はできません。

但し、合同会社でも社長の持ち家の場合は社宅扱いはしない事が一般的です。でないと会社の家賃は経費になりますが、社長個人に不動産所得が出て結局税金が発生するからです。

自宅の作業スペース

自宅を仕事で使用する場合、個人事業主と合同会社共に事業の経費とする事ができます。3LDKの内、1つの部屋を仕事に使用している場合、その使用割合に応じて経費にします。

この使用割合ですが、税理士の先生の考え方によってそれぞれのロジックがあり、それぞれ家賃の何割という形で経費にします。

前述した社宅と同様、持ち家の場合はあまりこの手法は使いません。なぜなら、持ち主に不動産所得が発生してしまうからです。やるなら賃貸の場合ですね。

日常生活にかかる費用

水道光熱費や自動車の税金、自動車保険、携帯電話料金など。プライベートの支出でも仕事に使っているというものがあると思います。

個人事業主でも合同会社でも、こういった支出は経費にする事ができます。使用割合に応じて〇%を経費にするという形です。

割合は税理士さんのお考えによりますが、30%~50%が一般的(あくまで個人の感想です)なように感じます。

生命保険料

ここで言う生命保険料は月々数万円の掛け捨てのものをイメージしてください。一時期は年間数百万円の高額な生命保険を利用した節税が出来ましたがそれは無くなりました。

会社が役員や従業員に対してかける生命保険料は全額会社の経費(前述した節税対策の高額な保険は別)になります。一方、個人の生命保険料は年末調整で上限があります。

ですので、税金面だけ考えると会社で生命保険を加入した方がお得ではあります。あとは、生命保険の条件が個人と会社で異なったりしますので、トータルで判断しましょう。

退職金の積み立て

小規模な事業の経営者は「小規模企業共済」という退職金の積み立てに加入する事ができます。普通、貯金をするには税金を取られてからの手取金額から行います。

ですが、この小規模企業共済で退職金の積み立てを行う場合、所得税や住民税が積み立てした分にはかからないのです。無税で貯蓄できる(引き出しは出来ませんが)イメージです。

この小規模企業共済ですが、個人事業主でも合同会社でも、条件をクリアすれば加入する事ができます。

関連リンク

退職金の積み立て小規模企業共済のホームページはコチラです!
中小機構 小規模企業共済

赤字の繰り越し

税務申告には赤字の繰り越しという制度があります。これは、確定申告で赤字になった場合、過去数年間の赤字がある間は、その利益分は税金がかからないという制度です。

例えば、9年間毎年10万円の赤字が発生したとしましょう。

合同会社の場合赤字の繰り越しは9年間ありますので、最大90万円の利益までは税金が課税されないという事になります。一方個人事業主は3年間の繰り越しなので最大30万円です。

この赤字の繰り越しですが、実際は合同会社のような法人形態の場合に上手に活用する事ができます。細かい話は省きますが、赤字の活用は法人形態で活用できると頭に入れておいて下さい。

詳細は起業する際に専門家に聞けばいいと思います。

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このページのまとめ

本記事では、合同会社の税金まわりについて詳しく解説いたしました。

合同会社の場合、

〇合同会社の利益に対して会社に
〇受け取った役員報酬に対して個人に

それぞれに税金が発生するというイメージです。

よくインターネットで合同会社の方が税金が有利と聞きますが、多くは社会保険料が加味されていないので注意して下さい。蓋を開けたら個人事業主の方がよかったのはよくある話です。

また、個人事業主と合同会社の節税対策の比較表をお出ししましたが、確かに会社でないと出来ない節税対策というのもありますが、今はそんなに変わりません。

むしろ、税金だけで言うと社会保険料の方が大変ですよね。

とはいえ、個人事業主ではなく合同会社を選択するというのは、税金面だけでないメリットもあります。よろしければ関連リンクの記事もご確認下さい。

関連リンク

個人事業主と法人どちらで起業するのがいいか比較はコチラ!
起業するならどっち?個人事業主と法人の違い

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