業種によって創業融資を受けにくいことはあるの?
創業融資は幅広い業種で資金調達の方法として利用されていますが、業種によって融資獲得の難易度が上がるということはあるのでしょうか?
今回は、
・創業融資が受けにくい業種
・金融機関ごとの傾向
・業種以外に申請時に注意したいポイント
について解説いたします。
【目次】
そもそも融資が受けられない業種がある
融資が受けにくい業種
業種以外に重視されるポイント
まとめ
そもそも融資が受けられない業種がある
創業融資制度は基本的にどのような職業でも公平に利用できます。基本的にどの業種でも審査の申し込みをする事ができます。ただ、一部例外として公的な融資制度を受けられない業種もあります。
日本政策金融公庫の場合
まず、日本政策金融公庫で融資対象外とされている業種です。身近な起業でありそうな業種を列挙しますね。
金融業
金融業というグループで対象外になる業種の代表的なものを列挙しました。このホームページをご覧になって創業融資を検討されている方で該当しそうな業種は「金融商品取引業」でしょうか。
証券外務員を雇って資産家の資産運用のお手伝いをするような事業の場合、金融商品取引業に該当し、日本政策金融公庫から融資を受ける事はできません。
また、損害保険業も日本政策金融公庫の融資対象外業主となります。損害保険業の事業者はその取り扱い商品によっては信用保証協会で融資を受ける事ができるので、取り扱い商品や資金調達の段取りを調整する事に注意下さい。
その他はあまり関係なさそうな業種ですね。
・銀行
・信金
・補助的金融業
・損害保険業
・共同組織金融業
・金融商品取引業
遊興娯楽業
遊興娯楽業は、競輪競馬やバチンコスロットを開業しようという方は少ないかと思います。一方、風俗関係で起業したいという方は多いのではないでしょうか?
風俗関係と一言で言っても、キャバクラやマージャン店。形態は色々ございます。この中でも、深夜営業のバーは警察への届出は必要ですが、厳密に言うと風俗ではないので日本政策金融公庫の融資を受ける事が可能です。
ただし、ガールズバーといった形態ですと、深夜営業と風俗営業の線引きが難しいところなので審査が厳しくなったりします。
・風俗関係
・競輪/競馬等の競争場およびその競技団
・パチンコ/スロット等
その他
その他あまり起業するケースがなさそうな物を一応列挙しておきます。
【事業サービス業】
・公共料金以外の取り立て業
【社会福祉事業】
・社会保険事業団体
・福祉事務所
・厚生保護事業
【政治/経済/文化】
・政党や経団連等
信用保証協会の場合
信用保証協会の場合は基準が異なります。保証の対象外となる業種を「保証対象外業種」と呼び、具体的な業種は以下の通りです。
農業関係
農業関係は基本的に保証協会は取り扱いしません。ですが、日本政策金融公庫に農業対象とした期間があるのと、農業信用基金協会の様な支援してくれる機関があります。
農業関係は保証協会でなく、日本政策金融公庫若しくは別のルートがあるとでも覚えておきましょう。
保険業
日本政策金融公庫のところでも解説しました、保険業は基本的に信用保証の対象外になります。ですが、保険業の内「保険媒介代理業、保険サービス業」は対応してくれるので注意です!
金融
こちらも日本政策金融公庫と同様に一言で金融といっても幅広い業種が該当する事になります。日本政策金融公庫で解説したような事業が該当する場合は一度信用保証協会に確認しましょう。
その他
あまりなさそうな起業のケースですが、代表的な物を列挙しておきます。ご自分が該当しそうであればご相談下さい。
・林業(木材伐出業/製造加工設備を有する新薪業等を除く)
・狩猟業全般
・漁業全般
・水産養殖業(一部を除く)
・小売業/物品賃貸業のうち風営法第2条第5項に当てはまるもの
・風俗関係
・競輪/競馬等の競争場およびその競技団
・パチンコ/スロット等
・学校法人
・宗教/政治/経済/文化団体等
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融資が受けにくい業種
新しいサービスモデルを構築するようなケース
創業融資が受けにくい業種の代表例ですが、新しいサービスモデルを構築するような仕事の場合です。例えば、オリジナルの商品を提供したい。新しいアプリを開発して提供したいというようなケースです。
融資する金融機関からすると、創業融資を受ける時というのは実績が殆どありませんから、その商品サービスが確実に売れるという事は分かりませんよね。
そんな中、目新しいサービスをやりたい!と目を輝かせて言われても、金融機関担当者としては「売れなかったときどうするんだよ」と思ってしまいます。
長く続いている事業者の方では、目新しい商品サービスを提供する前に必ず別に主軸となる売上を確保してから始める方が多いです。
新しい商品サービスが売れるまで時間がかかっても、主軸となる売上があれば、会社もやりくりできますし、受けた創業融資も返済できますからね。
ガールズバー
先ほど少し解説しましたが、ガールズバーは結構融資が受けにくいです。日本政策金融公庫や信用保証協会は「異性とのやり取りの為に通う飲食店」には融資をしてくれません。風俗になってしまうからです。
ガールズバーの場合、建前は店員が若い女性というだけですので風俗の届出(深夜の飲食店営業は必要ですが)は必要ありません。
とはいえ、はいそうですかと融資をしていたらなんでもありになってしまいますよね。
こういった理由から、ガールズバーの場合、席の配置や店員の衣装といった物を確認し、総合的に「異性とのやり取りの為に通う飲食店」で無いか判断をされます。
常用の建設業(保証協会付融資の場合)
これもよくあるのが、建設業者で常用(一人一日〇円)という形で事業を行っている場合です。保証協会は建設業の常用について派遣業法違反という取り扱いをしているので融資をしてくれません。
一方、常用をしている建設業者でも、日本政策金融公庫は問題無く融資をしてくれます。
せどり
せどりとは、仕入れた商品をインターネット等で高く販売し差額を利益とする事業形態です。いわゆる転売という事業形態の事を言います。
特別なスキルが必要とされない事から、副業で始めるという事例が多く、こういった方からの融資相談も沢山あります。せどりは創業融資を受けるのは難しいです。
創業融資を申請する際というのは、実績が殆ど無い状態で申請する事になります。
副業として始めるという事例が多くという点から、金融機関担当者はどうしても気軽に始めたビジネスという印象を持っています。
そんな印象を持っている相手に「せどりの勉強したので融資してください!」と言っても、あまり良い印象は与えません。「楽して儲けようとしやがって」程度にしか思われないのです。
※一般的な話で、全員がそうだとは言いませんよ。
ですので、「本気でビジネスとしてやっているんだ!」という姿勢を見せる為に、やはり2年程度の実績が必要になるのです。
また、コンサルからせどりのやり方を教わったという方は多くいらっしゃると思いますが、こういった方も「自分では何もできないのではないか」という印象を金融機関担当者は抱く事もあります。
こういった事の対策として、発送作業の外注はコンサルから紹介された業者は高いので自社でアルバイトを雇用した。というような自分自身が考えた利益が出るための対策という実績も大事になります。
情勢によって影響を受けている業種でも起業
新型コロナウィルス影響下でも飲食店開業といったケースのように、情勢によって影響を受けてる業種というのは融資の審査上厳しくなります。
こういった特別な事情での影響下においても、自分のビジネスは大丈夫!というアピールが必要です。
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業種以外に重視されるポイント
とにかく資金が回って返済ができるか
創業融資の審査で重視されるポイントとしては、事業の資金が回って毎月借入金が返済できる事が一番大事です。事業が大きくなる事ではありません。
金融機関としては、確実に融資を返済してもらえばそれでいい訳ですからね。
また、なぜその事業をやりたいのかという点も大事です。どんなに辛い時でも頑張れるか。こういった起業家の熱意も金融機関は見ているのです。
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まとめ:業種によって創業融資を受けにくいことはあるの?
この記事では、創業融資の業種別難易度についてお伝えいたしました。
・日本政策金融公庫は基本的に業種によって偏りはないが、一部融資自体ができない業種がある
・信用保証協会の場合は公庫よりも規定が細かい傾向にある
・一部融資が受けにくい業種について解説
・申請時には事業計画書や添付書類のクオリティも重視される
上記4つが本記事のポイントでした。
創業融資をこれから申し込む予定のある方は、自分の事業が融資や保証の対象か今一度確認してみましょう。
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