合同会社の出資者・出資とはどういった意味?
合同会社を設立しようとするとき、「出資」が必要になります。
はじめて合同会社を設立するとき「いくら出資しなければならないか?」や「誰が出資者にならなければいけないのか?」といった疑問が出てくるのではないでしょうか?
そこで本記事では、合同会社の設立時に必要となる「出資」に関する疑問について解説していきたいと思います。
【このページの目次】
出資って何?
いくら出資すればいい?
出資者になれるのは誰?
株式会社と合同会社の出資の違い!
このページのまとめ
出資って何?
会社に資本金を出して権利を得る事
出資を簡単に言うと、会社の資本金を出す事でその会社のオーナーの権利を得る事を言います。これと対象的なのが会社にお金を貸す事です。
出資は返済の必要はありません。融資は借りたお金なので返済する必要がありますよね。出資をすると会社のオーナーの権利を貰えますが、基本的に出資したお金は戻ってきません。
株式会社でも合同会社でも、出資者がお金を出して集まったお金(これを「資本金」といいます)を元手にして会社の経営を行っていきます。
株式会社の場合、出資者の事を「株主」と言います。これは聞いた事がありますよね。一方合同会社の場合の出資者の事を「社員」と呼びます。
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いくら出資すればいい?
資本金はいくらに設定するか
いくら出資すればいい?これは言い換えると資本金を幾らにすればいいかという問題となります。この資本金額の問題ですが、ベストな金額というのはありません。
考え方で言うと、
【消費税の関係で資本金1,000万円以上にはしない】
今はインボイス制度がありますのであまり関係が無い方が多いですが、消費税の問題があるので資本金は1,000万円未満にするのが一般的です。
資本金を1,000万円以上にすると、会社設立時から消費税を納税する事業者になってしまうのです。
令和5年10月から開始されるインボイス制度の関係で、この資本金1,000万円未満というのはあまり関係が無いという方も多くなると思います。
が、消費税の課税事業者か免税事業者のどちらを選ぶかという選択肢すらなくなってしまいますので、必要でなければ資本金は1,000万円未満にしましょう。
【必要な許認可での最低資本金は確認】
人材派遣事業や建設業等を営む場合、許可取得の条件として最低資本金額が定められているケースがあります。このような場合は基準の金額に満たすようにして下さい。
【周りに馬鹿にされないように】
会社の資本金額は、案外周りの経営者に聞かれたり、自社のホームページで公開したりと誰かの目に入る事があります。その際あまり少ないと恥ずかしいです。
こちらはご自分のキャラクターにもよると思うのですが、いつも兄貴分の方が資本金10万円だとちょっと今後やりづらくなったりするので注意です。
【資本金は個人に戻せないので無理をしない金額で】
資本金とは会社のお金になります。ですので、資本金で計上した金額は会社の口座に入れておく必要があります。ここで多いのが、見せ金で資本金を大きくして後で個人に戻すという方。
こういった処理をしますと、後々の税務会計上のリスクとなってしまったり、金融機関から融資を受けにくくなってしまう事もあるので注意です。
資本金を大きくした方が創業融資を受けやすいといった情報もありますが、これは正確には正しくありません。創業融資の場合は「資本金+個人の貯蓄」が重要視されます。
ですので、あまり無理をしない金額で資本金を設定するようにしましょう。
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出資者になれるのは誰?
個人でも法人でも出資者になれる
合同会社の出資者には「個人」でも「法人」でもなる事ができます。それぞれで手続きに必要な書類が異なりますので、詳しくは調べるか専門家に相談するようにして下さい。
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株式会社と合同会社の出資の違い!
合同会社は役員=出資者
合同会社の役員はその合同会社に出資した人(個人も法人も)でなければいけません。一方、株式会社の場合は出資者と役員は別の人間でも大丈夫です。
殆どのケースはあまり影響は無いのですが、あるとすれば社会保険の加入義務の違いとなります。
法人の役員は基本的に役員報酬を受け取る限り社会保険の加入義務が発生します。ですが、法人に名前が登記されているだけのような名前だけの役員は社会保険の加入が不要となります。
ここで株式会社の場合は出資者と役員が別ですので、名前が登記されているだけの役員は社会保険に加入する必要はありません。
一方合同会社は違います。役員=出資者ですので、年金事務所からすろと「出資もしているんだから名前だけという訳にはいかないでしょ!」と社会保険に加入させられるのです。
どこで違いが出るかというと、奥さんを役員にして節税したいという時。株式会社の場合は社会保険に加入しないスキームが出来ますが、合同会社は社会保険に加入しなければいけません。
ちょっとの違いが大違いになってしまうのです。
合同会社は出資額=議決権ではない
株式会社の場合、出資額に応じて会社の議決権(支配権)が生じます。ですが、合同会社の場合は基本的に出資額にかかわらず議決権は平等になります。
合同会社は配当も自由
株式会社の場合、利益の配当を出すときは株式数に応じて配当を計算する事になりますが、合同会社の場合は出資額に関係なく自由に配当金を決める事が出来ます。
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このページのまとめ
いかがでしたか?今回は合同会社の出資について解説を致しました。
〇出資とは資本金を出して会社の権利を得る事
〇資本金を決める時の注意事項
・消費税の関係で1,000万円未満
・必要な許認可の最低資本金額
・周りに馬鹿にされない金額
・資本金は個人に戻せないので無理をしない金額で
〇出資者は個人でも法人でもなれる
こういった事を解説しましたね。
また、株式会社と合同会社の出資の違いについても解説いたしました。
株式会社 | 合同会社 | |
非常勤役員の社会保険加入義務 | 無 | 有 役員=出資者の為 |
議決権 | 株式数に応じて | 自由 |
配当 | 株式数に応じて | 自由 |
簡単にまとめると上記のとおりでしたね。何かご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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