法人の節税効果と運営コストを比較する
前回のお話
法人にはメリットがありますが、そのかわりに個人事業主と比較して手続きが複雑である事や維持コストが大きいというデメリットもあります。前回は法人のデメリットについて解説しました。
今回のお話
個人事業主と比較して法人は金銭面で負担が大きいというデメリットがあると説明しました。今回は、実際個人事業主と法人で運営コストがどの程度変わってくるかを解説していきます。
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起業するならどっち?個人事業主と法人の違い
法人の運営コストはどの程度?
①「売上-経費」で残った利益を役員報酬と想定。
⇒会社に利益を残すか否かで税額は変わる事に注意
②事業主は30代独身、千葉県在住を想定。
⇒家族構成等で税額や保険料は変わる事に注意
③個人事業主の税理士費用は想定していない。
⇒個人事業主で税理士に依頼する方は注意。
1年の利益(売上-経費)が400万円
社会保険に加入した場合
個人事業 | 会社 | ||
税理士費用 | 0円 | 税理士費用 | 30万 |
国民健康保険
国民年金保険 |
44万 | 健康保険
厚生年金保険 |
100万 |
事業税 | 3万 | 法人税 | 7万 |
所得税 | 26万 | 所得税 | 4万 |
住民税 |
36万 |
住民税 |
15万 |
手元に残るお金 |
291万 |
手元に残るお金 |
244万 |
年間利益400万円で社会保険加入した場合
会社なら39万円の節税効果がありますが会社の運営コストや保険料が86万円増加するので個人事業の方が47万円多くお金が手元に残ります。
社会保険に未加入の場合
個人事業 | 会社 | ||
税理士費用 | 0円 | 税理士費用 | 30万 |
国民健康保険
国民年金保険 |
44万 | 健康保険
厚生年金保険 |
41万 |
事業税 | 3万 | 法人税 | 7万 |
所得税 | 26万 | 所得税 | 8万 |
住民税 |
36万 |
住民税 |
17万 |
手元に残るお金 |
291万 |
手元に残るお金 |
297万 |
年間利益400万円で社会保険未加入の場合、
法人なら33万円の節税効果があり、会社の運営コストや保険料が27万円増加になります。結果、法人の方が6万円多くお金が手元に残ります。
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法人で起業するメリットは?
1年の利益(売上-経費)が600万円
社会保険に加入した場合
個人事業 | 会社 | ||
税理士費用 | 0円 | 税理士費用 | 30万 |
国民健康保険
国民年金保険 |
58万 | 健康保険
厚生年金保険 |
148万 |
事業税 | 13万 | 法人税 | 7万 |
所得税 | 44万 | 所得税 | 7万 |
住民税 |
54万 |
住民税 |
23万 |
手元に残るお金 |
431万 |
手元に残るお金 |
385万 |
年間利益600万円で社会保険に加入した場合
会社なら74万円の節税効果がありますが会社の運営コストや社会保険料がが120万円増加するので個人事業の方が46万円多くお金が手元に残ります。
社会保険に未加入の場合
個人事業 | 会社 | ||
税理士費用 | 0円 | 税理士費用 | 30万 |
国民健康保険
国民年金保険 |
58万 | 健康保険
厚生年金保険 |
58万 |
事業税 | 13万 | 法人税 | 7万 |
所得税 | 44万 | 所得税 | 21万 |
住民税 |
54万 |
住民税 |
31万 |
手元に残るお金 |
431万 |
手元に残るお金 |
453万 |
年間利益600万円で社会保険未加入の場合
会社なら52万円の節税効果があり、会社の運営コストと社会保険料は30万円増加するので会社の方が22万円多くお金が手元に残ります。
1年の利益(売上-経費)が800万円
社会保険に加入した場合
個人事業 | 会社 | ||
税理士費用 | 0円 | 税理士費用 | 30万 |
国民健康保険
国民年金保険 |
72万 | 健康保険
厚生年金保険 |
192万 |
事業税 | 22万 | 法人税 | 7万 |
所得税 | 104万 | 所得税 | 9万 |
住民税 |
73万 |
住民税 |
30万 |
手元に残るお金 |
529万 |
手元に残るお金 |
532万 |
年間利益800万円で社会保険に加入した場合
会社なら153万円の節税効果があり、会社の運営コストが150万円増加なので会社の方が3万円多くお金が手元に残ります。
社会保険に未加入の場合
個人事業 | 会社 | ||
税理士費用 | 0円 | 税理士費用 | 30万 |
国民健康保険
国民年金保険 |
72万 | 健康保険
厚生年金保険 |
72万 |
事業税 | 22万 | 法人税 | 7万 |
所得税 | 104万 | 所得税 | 50万 |
住民税 |
73万 |
住民税 |
40万 |
手元に残るお金 |
529万 |
手元に残るお金 |
601万 |
年間利益800万円で社会保険未加入の場合
会社なら102万円の節税効果があり、会社の運営コストと保険料は30万円増加なので会社の方が72万円多くお金が手元に残ります。
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