創業融資を成功させる事業計画作成ポイント|J.J.works行政書士事務所

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創業融資を成功させる事業計画作成ポイント


創業融資を申し込む際、事業計画書の提出を求められます。プレゼン資料や事業計画書の作成は難しいものです。今回は、事業計画書の種類、そして創業融資を成功させる事業計画書作成のポイントについて解説していきます。

【目次】
事業計画の用途は2種類ある
創業融資を通す為の事業計画構成
事業が長く安定するという点
事業主の信用力という点
事業計画のフォーマットとボリューム

事業計画の用途は2種類ある

事業計画とはその名前の通り事業をどう進めていくかという計画書の事です。ビジネスプランという言われ方もします。「起業したらしっかりとした事業計画を作ろう!」と言われていますが、この事業計画には用途によって2種類のものがあると思います。実際、起業してみると実感します。

実際の経営に役立てるもの

「自分がどうやって成長していくか」その方向性を示すものです。現段階で自分が目指す位置から逆算して、今何をすべきか、いつ迄にどうなっていなければいけないか。そうなった時の利益やキャッシュフローのイメージを整理する事で、自分が実際に経営するに際しての羅針盤とします。

簡単にいうと

➀自分がどうなりたいかという目的を元に
➁何ができるようになるか
➂その為のスケジュール
➃それまでのキャッシュフロー

この4点を事業計画に盛り込みます。「自分の価値を高める為のスケジュール計画」といえば分かり安いでしょうか。どういった新しいサービスを作るか。その間どうやって食いつないでいくか。その為のスケジュールはどうするか。といった事を重点的に考えます。

銀行融資の為に作成するもの

起業した際事業計画が必要となってきます。その理由は、日本政策金融公庫などから創業融資を受ける時に求められるからです。ここで、注意しておく事は、前沭した「実際の経営に役立てるもの」と「創業融資用」の事業計画書は内容が全然違うという事です。

金融機関の一番気になる事は、融資した元金が返ってきて利息をキッチリ回収できるという事です。つまり、創業融資用の事業計画は自分がこういう強い会社を目指しているといった事は必要なく、元金と金利が返済できるんだという事が大事になってくるのです。

よって、創業融資用の事業計画書では、売上獲得と早期の安定が高確率である事。経費がコンパクトである事。というように元金と金利が問題なく返済できるという事を重視して作成します。、

創業融資を通す為の事業計画構成

創業融資の審査では、元金+金利をしっかり返済てきるという観点から「事業が長く安定するもの」という点と、事業主の「信用力」という点が重視されます。これらをアピールする為、事業計画書を構成します。

事業が長く安定するという点

このセクションは「事業が長く安定する」という観点から、安定して利益がでる=売上が安定、経費が少ない。経費の算出がしっかりしている=予想外の出費がない。という事を重点的に作成します。具体的には以下のとおりです。

➀販売する商品サービスは何か
➁誰に対して販売するのか
➂どういった広告宣伝をするのか
➃値段はどうするのか
➄仕入、協力者はどの程度確保しているか
➅年間売上はどの程度か
➆年間の経費はどの程度か
➇必要な資金の金額

事業主の信用力という点

このセクションでは、「事業主の信用力」をアピールします。ここでアピールする信用力とは「金融機関担当者が応援したくなるような社長」であることをアピールすると思って下さい。みなさんが「どうやって下積みしてきたか」「なぜ起業しようと思ったか」そういった一つ一つの積み重ねが信用力となるのです。具体的には以下のとおりです。

➀なぜ起業しようと思ったか
➁これまでの経歴
➂自社の強みの話
➃事業全体の話

事業が長く安定するという点

販売する商品サービスは何か

単純に、どういった事業をするかという内容です。創業融資で満足な結果を得れない方というのは、ここの説明が弱い方が多いです。

飲食店などを開業する場合で言えば、どのような食事を提供するのか、飲み物はどういったものを取扱うのか。誰をターゲット(後述します)にして、そのターゲットに確実に刺さる商品だと言う事を具体的にイメージしてもらう用にアピールします。

下請などで商品サービスの強みが出しにくい業態の方でもしっかりアピールします。ソフトウェア開発を下請でやっている場合、自分がどのようなプロジェクトに関わっているか。その中でどういった事が求められているか。どういった事が元請けから評価されているか。⇒だから安定して受注が来るんです!という論法で組み立てます。

誰に対して販売するのか

ターゲットを誰にするかという事です。ココを明確にしておけば、商品サービスが売れるかどうかのイメージが違います。「そういう人に対してこのサービスって喜ばれますよね」と言われると素晴らしいです。

前述した飲食店開業の例で申し上げますと、30代男性だけでは少し弱すぎます。「船橋駅から通勤している一人暮らしの男性サラリーマン、年齢は30代、煙草はアイコス、彼女はいない」というレベルまでターゲットをしぼります。ここに、先ほどのサービスを落とし込むのです。例えば「30代男性が好む漫画を置く」「食べ物ではなく飲み物に力を入れる」「アイコスの充電器を見せに設置する」という形です。彼女がいない30代男性がゆっくり出来そうな飲食店になりました、

ターゲットを明確に絞り込み、そこに明確に刺さるサービスを行うという事で事業計画書の説得力が増します。

どういった広告宣伝をするのか

商品サービスをどの様な方法で販売するのかという事です。単純に過去の経験から〇万円広告費にかけたら〇件の反応があったという形でも良いのですが、少し工夫を入れると面白くなります。

たとえば、僕のお客さんで美容室を経営されている方は、ヘアケアのシャンプートリートメントのセット(2週間分くらいのもの)を数種類そろえており、来店時に次回予約して頂いた方にはお好みのものをプレゼントしています。

美容室はHOT PEPPERで新規を集めるのは簡単だがリピータがなかなか増えず、どうやってリピーターを増やして行く事が課題の業界ですが、HOT PEPPERで集客したお客様をこういった仕組みで固定客にしているんですね。この取り組みを初めてから固定客が爆発的に増えたそうです。

また、なぜこの広告方法を選択したという理由もはっきりさせておきましょう。しっかり、ターゲットや自社の商品に併せた方法を選んだという事が重要です。

吉野屋の牛丼について、高級グルメ雑誌に広告を出しても効果は見込めなさそうというイメージです。

値段はどうするのか

商品サービスの値段について、なぜこの金額にしたのか。しっかり説明できるようにしましょう。値段というのは商品の大切な一部です。

アマゾンでのショッピングを例にすると、同じ商品が様々な値段で販売されています。同じ商品を複数販売している場合、基本的には値段の安い方で購入するはずです。それと同様です、自社の商品サービスはなぜこの値段なのか?他社よりも商品サービスの価値が高ければ料金も高くできますし、価値が同じなら価格を安くしないと勝てないでしょう。

ここは、商品サービスの強さに影響する所なので、しっかり考えるべきです。

仕入、協力者はどの程度確保しているか

仕入、協力業者が多いというのは創業融資では大きなメリットとなります。仕入の場合、仕入先が無くなってしまうと事業が成り立たなくなってしましますよね。こういった時、複数の仕入先候補が確保されていた場合、金融機関としても安心できます。

また、協力業者。例えば自分の商品を販売してくれる代理店が1社の場合と10社の場合、どちらが売上安定が見込めると感じますでしょうか?

仕入先や協力事業者を沢山事業計画に記載できるという事は、事業の成功確率を高めると判断される要素になります。

年間売上はどの程度か

ここは一番の要となります。売上計画は、季節など様々な理由で左右されます。繁忙期なども考慮し、しっかり当て込むようにして下さい。また、数字を適当に当て込むだけではいけません。しっかりとした売上根拠を用意する事が必要となります。

売上増加が見込まれているのならば、理想は注文書。なければ提出した見積書。それがないのであれば、取引先とやり取りしたメールを印刷する。とにかく、本当に売上が見込まれるという証拠を準備します。

また、実際売上が上がってきているのであれば、それをベースに考えてもいいでしょう。この場合、過去に発行した請求書や入金があった預金通帳などを提出します。

用意できないのであれば、過去の経験値からの推測、業界の平均値といったデータからはじき出すのも一つの方法でしょう。

年間の経費はどの程度か

年間の売上の予想を考えたら、次は年間の経費額を考えます。ここも重要なポイントです。売上があっても、経費が多すぎれば会社は赤字となってしまします。コンパクトな経費にしなければいけない事に注意しましょう。

とはいっても、試算の甘さには注意して下さい。創業融資の審査担当者は、色々な業種を見てきています。あまり経費の試算が雑すぎると、事業主の経営能力を疑われてしまします。

事業主の信用力という点

なぜ起業しようと思ったか

なぜ起業しようと思ったか。いわゆる創業の動機というものです。ここも凄く大事な部分です。「商品サービスを誰に届けるか」それが具体的であれば有るほど事業の成功がイメージしやすいというお話をしました。創業の動機というのは全ての根源になり、そこから全て始まります。ここがしっかりしているとしていないでは、事業主の信用力が変わってくるのです。

端的に説明すると「これをやりたいという気持ち」⇒「だからどういった商品サービスを」⇒「誰に提供する」という論法でしっかりと自分の本気度を示す事が重要という事です。ここが曖昧だと、金融機関担当者は信用してくれません。「サッカー選手になる」といった直後に「野球選手になる」という子どもの様に感じてしいますからね。

逆に、「10年下積みして気がついた、こういった人達が困っている。解決できるサービスはこれだ。十分事業として成り立つ。」こういった論法でしっかり説明できれば、金融機関担当者も人間ですので、応援してくれるでしょう。

これまでの経歴

金融機関はみなさん自身の経歴を非常に重視します。簡単に説明すると、独立してやっているだけのスキルを持っているのか。そこが気になるからです。

サービス提供から販売まで10年キャリアがあるというのが理想ですが、仲間と補い合うという事も可能です。販売経験が10年があるけど作る事ができない営業担当者。10年下積みしてきた販売できない職人さん。それぞれでは無理そうですが、二人の経験を活かせば何とかなりそうな気がしますよね。

このように、ご自身の経験はこの人なら大丈夫かという信用力に大きな影響を与えます。しっかり、自分の経験をアピールしましょう。

自社の強み

自社の強みを知っているという事も信用力に大きな影響を与えます。金融機関に「しっかり考えている社長だな」と思わせる事が大事です。

競合分析をする手法に4Pというマーケティング手法があります。これを行う事で、今の自社の強みと何処に力を注いでいくか。という事が見えてきます。

4Pはの詳細は以下のとおりです。

➀「Product:製品」
➁「Price:価格」
➂「Place:流通」
➃「Promotion:プロモーション」

➀「Product:製品」

僕のお客さんの美容室を例に考えて見ましょう。船橋駅の美容室をインターネットで検索すると約60店舗あります。すさまじい競合の数ですね。価格はカットでいうと2,000円~5,000円が相場でした。

➁「Price:価格」

ここから価格で絞り込みます。お客さんのお店のカット料金は2,700円なので、この金額で調べると40件まで絞る事ができます。残りの20件はカット料金4,500円~5,000円とちょっと高めです。

この時点で競合の数は変わってきます。今回の競合先は2,700円の料金帯の40件となります。なぜか?料金が違うといらっしゃるお客様が変わるのです。2,700円で来店される方、5,000円で来店される方。それぞれお客様によって望んでいるサービスは異なります。

➂「Place:流通」

この場合の「Place:流通」とは、店舗の立地の事になります。2,700円の料金帯カットを提供しているお店の殆どは、船橋駅徒歩5分圏内にありました。一方、5,000円で料金設定している美容室は、駅から徒歩10分という傾向がありました。こういったお店の場合、近い、早いというよりも、そこのお店に行きたいから行くというイメージでしょう。

➃「Promotion:プロモーション」

こちらは広告宣伝や販促方法の事です。2,700円の料金帯のお店は殆どHOT PEPPERで集客しています。一方、5,000の料金帯のお店はHOT PEPPERではなく、自社のWEBサイトやインスタグラム等を充実させています。結局、価格を重視するお客様を呼ぶのか。口コミをやサービス内容を重視するお客様を呼ぶのかの違いでしょう。こう考えると、2,700円でカットをしている僕のお客さんにとって、5,000円でカットをしている美容室は競合とは言えない事になります。

しっかり競合を精査し、自社の強みを考える

自社の強みをお考えるにあたって、客観的に競合比較をする視点ももつという事は大事な事です。でないと、どうしてもお客さん目線で考える事はできません。自分では優れた商品サービスであっても、事業計画を見た人が、確かにこれなら同じお客さんを狙っている他社に勝てるなと思わせる必要があるのです。

この場合、戦う相手を間違えて(カット料金2,700円と5,000円の美容室では取り合うお客さんが違う)強みを考えても、説得力のある事業計画は作れないのです。

吉野屋が高級フレンチに勝つ方法を考えても意味ないですよね。

事業計画のフォーマットとボリューム

基本的に金融機関指定の書式を使う

日本政策金融公庫や保証協会付制度融資などは所定の事業計画書を用意してあります。この所定の事業計画書は、記載欄の行数が少なく厚めの文章でアピールできないからです。

とはいっても、所定の書式ではなくオリジナルの書式を仕様すると金融機関の担当者の手間が掛かってしまいます。

ですので、基本的に所定の事業計画書を利用し、どうしても厚めに記載したい項目は別紙参照という形にしてWordなどでその部分だけ作成するのが良いでしょう。

枚数は少なくても大丈夫

事業計画書のボリュームがあれば創業融資がとおり安いかという訳ではありません。むしろ、コンパクトにまとめた方が、金融機関担当者が喜ぶケースが多いです。彼らも忙しいので、1枚程度に簡潔にまとめてくれた方が助かるのです。

ですので、簡潔に話しが伝わるようにしっかり考えこみましょう。

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