会社設立時の役員任期の決め方のポイント|J.J.works行政書士事務所

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会社設立時の役員任期の決め方のポイント


会社設立手続きをするときは就任する役員の任期(役員として仕事をする期間)を決める必要があります。今回は役員の任期の決め方や注意点について解説していきたいと思います。

【目次】
役員任期について解説
役員任期を顧慮するのは株式会社の場合のみ
役員任期を決める際の判断軸
役員任期の例
このページのまとめ

役員任期について解説

株式会社では取締役など、合同会社では社員、一般社団法人では理事、といわれています。役員を簡単に説明すると、会社の所有者(株主など会社のオーナー)から会社の運営を委託されている立場の役職になります。

運営を委託する際には法律で期限が定められており、この期限の事を「役員の任期」というのです。役員の任期は定款という会社の運営ルールで決める必要があります。

株式会社の役員に20年就任しているという方の場合、会社の所有者が、会社のルール(定款)で決められた期間で役員に会社の運営を委託し、その期間が終了(役員の任期満了)後、また会社の運営を任せたいという事で、再度役員に就任してもらう。という形になっています。

この会社の役員任期というのは、会社の形態によって変わってきます。

会社の形態?と疑問に思った方はこちらの記事もご覧下さい。
会社の種類について比較してまとめてみました

株式会社の場合

株式会社の場合、会社を所有している者は出資をした株主であり、役員は株主より会社の運営を委託されているという立場になります。これを「所有(株主)と経営(役員)の分離」と言います。

株式会社の役員の任期は

取締役
2年~10年

監査役
4年~10年

となっています。

一般社団法人の場合

一般社団法人の場合も株式会社と似たような形態で、社員という一般社団法人のオーナー(株式会社でいう株主、合同会社の社員と意味は違います)が理事という役員に運営を委託するという形になっています。

理事
2年以内

監事
2年以内

となっています。

合同会社の場合

合同会社の場合は役員の任期というものは存在しません。なぜなら、合同会社は所有と経営が分離しておらず、会社のオーナー=会社の役員という決まりがあるからです。

役員任期を顧慮するのは株式会社の場合のみ

一般社団法人の場合、役員任期というのは2年以内と決まっています。この場合は2年としておけば問題無いでしょう。また、合同会社の場合は前述の通り役員任期というものが存在しないので気にしなくて大丈夫です。

ですが、株式会社を設立して起業しようとしている方は役員任期に注意して下さい。2年~10年という幅が大きいので影響が大きいからです。

役員任期を決める際の判断軸

役員再任手続き(重任登記)には費用がかかる

役員が任期満了して再度就任する場合、法務局で役員再任手続きをしなければいけません。この手続きを重任登記といいます。重任登記手続きをする際には、法務局で登録免許税という税金を支払う必要があります。また、司法書士の先生にお願いするのであればその分費用が必要になってきます。大まかなコスト感は登録免許税と司法書士の手数料込みで3万円~5万円くらいになります。

コスト面でいうと、役員任期はできるだけ長くした方がメリットがあります。

役員再任手続き(重任登記)を忘れるとペナルティがある

上場企業のように、株主と役員がガッチリ分離されている会社ならこういった事はおきないのでしょうが、実際会社というのは株主と役員が社長。という事がほとんどです。こういった会社では、法務局での役員重任登記を忘れていたという事がよくあります。株主と役員が社長自身なので、会社の経営を委託するという感覚なんてありませんからね。

ここで注意頂きたいのが、法務局での役員重任登記を忘れていると、キチンと法律を守らなかったという事で裁判所から罰金を払えという通知が来たり、役員重任登記がされていない=実際は動きが無い架空の会社だという事で法務局が勝手に会社を解散させられてしまうという事です。

役員重任登記を忘れてしまうとこういった面倒な事がおきてしまう可能性があるので、役員任期は覚えやすい期間がいいですね。

役員を辞めさせる時は面倒くさい

誰かと一緒にビジネスをしていくというのは凄く難しい事です。一緒に会社設立して起業したとは言っても、代表取締役とただの取締役では全然プレッシャーも意識も違います。何年か会社を経営していくと彼奴を辞めさせたいとなる事があります。こういったケースを多々見てきました。

スタッフに対してすらイライラするのに、自分同じ意識で仕事をできない役員がいたらどれだけのストレスになるか。。。考えただけでも恐ろしいです。こういった場合は役員の任期は短い方が良いでしょう。理由は以下のとおりです。

辞めさせる時の気疲れ

任期の途中で役員を辞めさせる場合、法務局で役員退任手続きをしなければいけません。その際にコストがかかるという事もそうなのですが、退任手続きは「辞める役員の印鑑を押した書類」を提出しなければいけません。

という事は

「あなたはまだ任期が残っているけど、考え方が合わないから辞めてもらう。この書類に判子押して」

という事を相手に伝えなければいけません。本業で忙しいのに一々こんな気を使うような事に時間を割きたくありません!

こういった場合、役員の任期が満了していたら再度就任して貰わなければいいだけですので、面倒と気疲れが少し減ります。

辞めさせた役員からの損害賠償請求

役員が正当な理由なく役員が解任させられた場合、任期満了まで受け取る事ができた報酬の金額を損害賠償請求できる。という法律があります。

ですので、任期10年の役員を5年で解任した場合、残り5年分の役員報酬を支払いしなければいけない可能性があるのです。

正当な理由なくというのは
〇気にくわない
〇他に最適な人がいた
といったケースです、一番多いパターンですが。

一方
〇背信(裏切り)行為があった
〇飛んでしまった
〇重病で仕事ができない
といった、役員としての役割を果たせないような場合は問題ありません。

役員任期の例

役員が一人(株主と役員が同じ人)

この場合は任期を最長の10年にするのがいいでしょう。任期満了の重任登記のコストを抑える事ができますし、重任登記のタイミングも10年を覚えやすいからです。

役員が一人(株主と役員が違う人)

役員と株主が身内の場合は10年でいいでしょう。重任登記手続きのコストを抑える事ができるからです。

役員と株主が他人の場合は注意して下さい。任期が長いと役員に有利ですし、任期を短くすると株主に有利になります。

ご自分が誰かに出資してもらって事業をする場合は任期10年が望ましいですし、逆にご自分が出資して誰かに事業をさせる場合は任期2年がやりやすいかもしれません。

役員が二人以上(仲間同士で起業)

この場合は2年程度にするのが良いと言われています。事業を進めていく上で仲違いするケースは良くあります。こういった場合の気疲れやリスクを考えると、任期は短い方が良いのではないでしょうか。

このページのまとめ

如何でしたか?今回は役員任期の決め方について解説しました。今回解説したポイントを以下のとおりまとめました。会社設立される際のご参考になれば嬉しいです。

〇会社の種類によって役員任期は異なる
〇株式会社の役員任期は最長10年
〇一般社団法人の役員任期は2年
〇合同会社は役員任期はない
〇役員任期で悩むのは株式会社だけ
〇役員重任登記はコストがかかる
〇役員を辞めさせる時は面倒くさい
〇自分一人なら任期は最長10年
〇他人を役員にするなら辞めさせる時も考えて

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